糖尿病の薬の種類と選び方|池袋の薬局で相談

最終更新日: 2026-05-09
📋 この記事のポイント
  • ✓ 糖尿病治療薬には様々な種類があり、患者さまの状態や合併症によって最適な薬が異なります。
  • ✓ 各薬剤には特有の作用機序、効果、副作用があるため、医師や薬剤師との相談が重要です。
  • ✓ 低血糖の予防と対処法を知り、安全に治療を継続することが大切です。
※ 本記事は医療広告ガイドラインに基づき作成されています。記事内には当院の治療・サービスに関する情報が含まれます。

糖尿病の治療は、血糖値を適切に管理し、合併症の予防を目指すために不可欠です。治療の中心となる薬物療法には、様々な種類の薬剤があり、患者さま一人ひとりの病態やライフスタイルに合わせて選択されます。ここでは、主要な糖尿病治療薬の種類と、それぞれの特徴、注意点について詳しく解説します。

メトホルミンの効果・副作用・飲み方ガイド

メトホルミン錠剤の服用方法と血糖値コントロールの仕組み
メトホルミンの働きと服用量

メトホルミンは、2型糖尿病治療の第一選択薬として広く用いられる経口血糖降下薬です。

メトホルミンは、主に肝臓での糖新生(ブドウ糖を新たに作り出すこと)を抑制し、筋肉でのブドウ糖の取り込みを促進することで血糖値を下げる効果があります。また、腸管からのブドウ糖吸収を遅らせる作用も報告されています。インスリン分泌を直接刺激しないため、単独での使用では低血糖を起こしにくいという特徴があります[3]。当薬局の服薬指導では、メトホルミンを初めて服用される患者さまから「低血糖が心配」という声をよく聞きますが、この作用機序を説明し、過度な心配は不要であることをお伝えしています。

メトホルミンの主な効果

  • 肝臓からの糖放出抑制
  • インスリン抵抗性の改善
  • 腸管からのブドウ糖吸収抑制
  • 体重増加を抑制する傾向がある

メトホルミンの主な副作用と注意点

メトホルミンで最も多く報告される副作用は、吐き気、下痢、腹痛などの消化器症状です。これらの症状は、服用開始時や増量時に現れやすく、通常は服用を続けるうちに軽減することが多いです。当薬局では、服薬指導の際に「最初は胃腸の調子が悪くなるかもしれませんが、体が慣れてくると落ち着くことが多いですよ」と説明し、患者さまの不安を和らげるよう努めています。また、まれに乳酸アシドーシスという重篤な副作用が起こる可能性がありますが、これは腎機能障害がある場合や脱水状態の時にリスクが高まります。そのため、腎機能が低下している患者さまや、手術前後、造影剤を使用する検査を受ける際には一時的に服用を中止する必要があります[4]

⚠️ 注意点

メトホルミン服用中は、脱水症状に注意し、水分を十分に摂取することが大切です。また、造影剤を使用する検査を受ける際は、必ず事前に医師や薬剤師に相談してください。

メトホルミンの飲み方

メトホルミンは、通常1日1〜3回、食後に服用します。消化器症状を軽減するため、少量から開始し、徐々に増量していくことが多いです。当薬局の調剤経験では、患者さまの生活リズムに合わせて、飲み忘れがないよう、食事と関連付けて服用するタイミングをご案内しています。例えば、「朝食後と夕食後に飲むと忘れにくいですよ」といった具体的なアドバイスを心がけています。

SGLT2阻害薬とは?効果・副作用・体重減少効果

SGLT2阻害薬は、腎臓からの糖の再吸収を抑制し、尿と一緒に糖を体外へ排出することで血糖値を下げる新しいタイプの糖尿病治療薬です。

SGLT2阻害薬は、腎臓の尿細管にあるSGLT2(ナトリウム-グルコース共輸送体2)というタンパク質の働きを阻害します。これにより、通常は体内に再吸収されるはずのブドウ糖が尿中に排出され、血糖値が低下します。この作用機序はインスリンとは独立しているため、インスリン抵抗性やインスリン分泌能に関わらず効果を発揮する可能性があります。また、尿糖排泄に伴い水分も排出されるため、血圧低下や体重減少効果も期待できる点が特徴です[2]。当薬局では、SGLT2阻害薬を服用中の患者さまから、「体重が少し減った」「むくみが改善された」というフィードバックをいただくことが多いです。

SGLT2阻害薬の主な効果

  • 血糖降下作用(尿糖排泄による)
  • 体重減少効果
  • 血圧降下作用
  • 心血管イベント抑制効果
  • 腎保護作用

SGLT2阻害薬の主な副作用と注意点

SGLT2阻害薬の主な副作用は、尿路感染症や性器感染症(カンジダ症など)です。これは、尿中に糖が増えることで細菌が繁殖しやすくなるためです。当薬局では、服薬指導の際に、これらの感染症の症状(かゆみ、排尿時の痛みなど)について詳しく説明し、異常を感じたらすぐに医療機関を受診するよう指導しています。また、脱水症状やめまい、立ちくらみなども起こりやすくなるため、特に高齢の患者さまには水分補給の重要性を強調しています。まれに、ケトアシドーシスという重篤な副作用が報告されており、特にシックデイ(体調が悪い日)には注意が必要です。

⚠️ 注意点

SGLT2阻害薬服用中は、感染症予防のため清潔を保ち、十分な水分補給を心がけてください。体調不良時は自己判断で服用を中止せず、必ず医師に相談しましょう。

DPP-4阻害薬の種類と使い分け

DPP-4阻害薬の異なる種類とそれぞれの特徴を比較
DPP-4阻害薬の分類と選択

DPP-4阻害薬は、インクレチンというホルモンを分解する酵素の働きを抑えることで、血糖値を下げる経口血糖降下薬です。

インクレチン(GLP-1やGIPなど)は、食後に小腸から分泌され、膵臓からのインスリン分泌を促進し、グルカゴン分泌を抑制する働きを持つホルモンです。DPP-4阻害薬は、このインクレチンを分解する酵素であるDPP-4の働きを阻害することで、体内のインクレチン濃度を高め、血糖値依存的にインスリン分泌を促進します。これにより、食後の高血糖を改善し、血糖コントロールを助けます。血糖値が高い時にのみ作用するため、単独での使用では低血糖を起こしにくいという特徴があります[3]。当薬局の服薬指導では、特に高齢の患者さまから「低血糖が心配」という質問をよく受けますが、DPP-4阻害薬は比較的低血糖のリスクが低いことをお伝えし、安心して服用いただけるよう説明しています。

DPP-4阻害薬の主な種類

DPP-4阻害薬には、いくつかの種類があり、それぞれ薬の作用時間や代謝経路、腎機能低下時の用量調整の必要性などが異なります。主な薬剤としては、シタグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチン、リナグリプチン、テネリグリプチン、アナグリプチン、トレラグリプチンなどがあります。当薬局では、患者さまの腎機能や併用薬、服用回数(1日1回か2回か)などを考慮し、医師の処方に基づいて適切な薬剤を調剤しています。

インクレチン
食事を摂ると小腸から分泌されるホルモンで、血糖値が高い時に膵臓からのインスリン分泌を促し、血糖値を下げる働きがあります。GLP-1とGIPの2種類が知られています。

DPP-4阻害薬の主な副作用と注意点

DPP-4阻害薬は比較的副作用が少ないとされていますが、まれに便秘、腹部膨満感、鼻咽頭炎、頭痛などが報告されています。また、重篤な副作用として、膵炎や腸閉塞、類天疱瘡(水ぶくれができる皮膚疾患)などが報告されています。当薬局では、服薬指導の際に、これらの症状に注意するよう説明し、特に腹痛が持続する場合や皮膚に異常が現れた場合は、すぐに医療機関を受診するよう指導しています。実際の処方パターンとして、高齢の患者さまにも比較的安心して処方されることが多い薬剤ですが、腎機能が低下している場合は、用量調整が必要な種類もあります。

⚠️ 注意点

DPP-4阻害薬服用中に、持続する腹痛や皮膚症状が現れた場合は、速やかに医師に相談してください。自己判断での服用中止は危険です。

インスリン注射の種類と自己注射のコツ

インスリン注射は、体内でインスリンが十分に分泌されない1型糖尿病や、経口薬だけでは血糖コントロールが難しい2型糖尿病の患者さまに用いられる治療法です。

インスリンは、膵臓から分泌されるホルモンで、血液中のブドウ糖を細胞に取り込ませてエネルギーとして利用したり、肝臓や筋肉に蓄えたりすることで血糖値を下げる働きがあります。糖尿病でインスリンの分泌が不足したり、働きが悪くなったりすると、血糖値が上昇します。インスリン注射は、不足しているインスリンを体外から補うことで、血糖値を正常に近づけることを目的とします。当薬局では、インスリン注射を始める患者さまから「注射は痛いですか?」「自分でできるか心配」といった不安の声をよく聞きます。服薬指導の際には、注射器の進化や正しい手技を丁寧に説明し、安心して治療に取り組めるようサポートしています。

インスリン注射の種類

インスリン製剤には、作用の発現時間や持続時間によって様々な種類があります。患者さまの病態やライフスタイルに合わせて、医師が最適な製剤を選択します。主な種類は以下の通りです。

  • 超速効型インスリン: 食事の直前または直後に注射し、食後の急激な血糖上昇を抑えます。作用が速く、持続時間が短いのが特徴です。
  • 速効型インスリン: 食事の30分前に注射し、食後の血糖上昇を抑えます。超速効型よりも作用発現が緩やかで、持続時間もやや長いです。
  • 持効型インスリン: 1日1回注射し、24時間近く作用が持続することで、基礎インスリンを補充し、空腹時血糖値を安定させます。
  • 混合型インスリン: 超速効型または速効型と中間型または持効型インスリンを混合した製剤で、1回の注射で食後と基礎インスリンの両方を補います。

自己注射のコツと注意点

インスリン自己注射は、正しい手技で行うことが重要です。当薬局では、自己注射を始める患者さまに対して、以下の点を中心に服薬指導を行っています。

  1. 注射部位の選択: 腹部、大腿部、上腕部などが一般的です。同じ場所に繰り返し注射すると、皮膚が硬くなったり、吸収が悪くなったりすることがあるため、注射部位を毎回少しずつずらすことが大切です。
  2. 清潔操作: 注射前には必ず石鹸で手を洗い、注射部位を消毒します。
  3. 針の取り扱い: 針は使い捨てで、毎回新しいものを使用します。使用済みの針は、専用の容器に入れて適切に廃棄します。
  4. 保管方法: 開封前のインスリンは冷蔵庫で保管し、開封後は室温で保管できますが、使用期限に注意が必要です。

服薬指導の際に、患者さまから「注射部位をどこにしたらいいか迷う」という相談を受けることがよくあります。その際には、注射部位のローテーション方法を図で示したり、実際にペン型注入器を手に取っていただき、注射の練習をしていただくこともあります。正しい手技を習得することで、注射への抵抗感を減らし、安全に治療を継続できるようになります。

⚠️ 注意点

インスリン注射は、低血糖のリスクがあるため、定期的な血糖測定と医師の指示に従った用量調整が不可欠です。自己判断での増減は絶対に避けてください。

糖尿病の薬と低血糖|対処法と予防

糖尿病治療薬による低血糖症状の兆候と適切な対処法
低血糖の症状と緊急対応

糖尿病の薬物療法において、低血糖は特に注意が必要な副作用の一つです。低血糖とは、血糖値が正常範囲(一般的には70mg/dL未満)を下回る状態を指します。

低血糖は、インスリン注射や一部の経口血糖降下薬(SU薬など)を使用している場合に起こりやすい副作用です。食事量の不足、運動量の増加、薬の飲み間違い、アルコールの過剰摂取などが原因で発生することがあります。低血糖は、軽度であれば自覚症状で対処できますが、重度になると意識障害を引き起こし、命に関わる場合もあります。当薬局の服薬指導では、特に高齢の患者さまや一人暮らしの患者さまに対して、低血糖の症状と対処法を繰り返し説明し、緊急時の対応についても確認しています。

低血糖の主な症状

低血糖の症状は個人差がありますが、一般的には以下のような症状が現れます。

  • 軽度: 空腹感、冷や汗、動悸、手足の震え、脱力感、吐き気など
  • 中等度: 頭痛、集中力の低下、眠気、めまい、目のかすみ、イライラなど
  • 重度: 意識障害、けいれん、昏睡など

低血糖の対処法

低血糖の症状が現れたら、速やかに糖分を摂取することが重要です。当薬局では、患者さまに以下の「15gルール」を指導しています。

  1. ブドウ糖10g(ブドウ糖タブレット2~3錠)または砂糖10~20g(スティックシュガー2~3本)を摂取する。
  2. 15分間安静にして、症状が改善するか確認する。
  3. 症状が改善しない場合は、再度ブドウ糖などを摂取する。
  4. 症状が改善したら、次の食事まで時間がある場合は、軽食(クラッカーなど)を摂る。

当薬局では、服薬指導の際に、常にブドウ糖や砂糖を持ち歩くよう患者さまに勧めています。特に、外出先で低血糖になった際に「どうすればいいか分からず困った」という患者さまの声を聞くことも多いため、具体的な対処法を分かりやすく説明することを心がけています。

低血糖の予防策

  • 規則正しい食事: 食事時間を守り、食事量を大きく変えないようにする。
  • 適度な運動: 運動量が増える場合は、事前に糖分を補給したり、インスリン量を調整したりする。
  • 薬の正確な服用: 医師や薬剤師の指示通りに薬を服用し、飲み忘れや飲み間違いに注意する。
  • アルコールの制限: アルコールは低血糖を誘発しやすいため、摂取量に注意する。
  • 血糖値の自己測定: 定期的に血糖値を測定し、自分の血糖変動パターンを把握する。
⚠️ 注意点

低血糖を繰り返す場合は、必ず医師に相談し、薬の量や種類、生活習慣の見直しを検討してください。特に夜間の低血糖は自覚しにくいため注意が必要です。

まとめ

糖尿病の治療薬は多岐にわたり、それぞれの薬が異なる作用機序を持ち、患者さまの病態やライフスタイルに合わせて選択されます。メトホルミンは肝臓からの糖産生を抑え、SGLT2阻害薬は尿から糖を排出し、DPP-4阻害薬はインクレチンの働きを強めることで血糖値をコントロールします。インスリン注射は、体内のインスリン不足を補う重要な治療法です。これらの薬剤は、血糖降下作用だけでなく、体重や心血管、腎臓への影響も考慮して選択されることがあります。治療を安全かつ効果的に進めるためには、各薬剤の特徴を理解し、副作用、特に低血糖の症状と対処法を把握しておくことが不可欠です。ご自身の治療薬について疑問や不安がある場合は、医師や薬剤師に積極的に相談し、適切なアドバイスを受けるようにしましょう。

よくある質問(FAQ)

糖尿病の薬は一生飲み続けなければなりませんか?
糖尿病の薬物療法は、血糖コントロールを維持し、合併症を予防するために長期的に継続することが多いです。しかし、生活習慣の改善(食事療法、運動療法)によって血糖値が安定し、薬の量を減らしたり、中止できるケースもあります。自己判断で中止せず、必ず医師と相談しながら治療を進めることが重要です。
薬の飲み忘れが多いのですが、どうすれば良いですか?
飲み忘れを防ぐためには、薬を飲む時間を決めておく、カレンダーやアラームを活用する、一包化(複数の薬を1回分ずつまとめる)を検討するなどの方法があります。当薬局でも、一包化のご相談や、お薬カレンダーの活用方法についてアドバイスしています。飲み忘れた場合の対応は薬の種類によって異なるため、事前に医師や薬剤師に確認しておきましょう。
糖尿病の薬は体重に影響しますか?
糖尿病の薬の中には、体重に影響を与えるものがあります。例えば、SGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬は体重減少効果が期待できる一方、インスリン製剤やSU薬は体重増加につながる可能性があります。メトホルミンやDPP-4阻害薬は体重への影響が比較的少ないとされています。ご自身の薬が体重にどのような影響を与えるか、医師や薬剤師に確認してみましょう。
新しい糖尿病薬「イメグリミン」とはどんな薬ですか?
イメグリミンは、ミトコンドリアに作用し、インスリン分泌を促進するとともに、インスリン抵抗性を改善する新しい作用機序を持つ経口血糖降下薬です。日本での臨床試験では、単独療法または既存の糖尿病治療薬との併用療法において、長期的な安全性と有効性が示されています[1]。低血糖のリスクが比較的低いとされていますが、他の薬と同様に医師の指示に従って服用することが重要です。
この記事の監修
💼
小林瑛
管理薬剤師・旭薬局池袋店
💼
佐藤義朗
薬剤師・有限会社旭商事 代表取締役